新築・リフォームの際に、家の外見を大きく変えるのは外壁です。
近年まで、外壁材といえば「モルタル」が主流でした。

日本の木造住宅のほとんどがモルタル外壁でしたが、近年新たな外壁材が普及し、モルタルから主流が移りつつあります。
その人気は、今や国内の新築建築シェアのおよそ70％を超えていることからも明らかです。

それが「サイディング」です。

・サイディングとは

サイディングとは、家の外壁に被せる・貼りつける形で施工する乾式の外壁材です。
湿式はモルタル、いわゆる左官での塗り壁、タイル張りといった「壁そのものを現地で作る」外壁施工です。
それに対して、乾式であるサイディングは、成型された板を壁に直接施工して「外壁」として完成させます。
石柄・木目柄やレンガ調まで、無数の外見スタイルに対応している工場生産の板材です。

人気の理由として、モルタルと比較した際の「優れた耐水性」「種類の豊富さ」「品質の安定」などがあります。
モルタルでは経年劣化によって外壁にヒビが入ってしまうこともありますが、サイディングは経年劣化のしにくさ、耐水性、耐天候性も考慮の上、開発されています。
また、サイディングの最も大きな魅力として「施工価格の安さ」が挙げられます。

・窯業系サイディングの特徴、メリットとデメリット

窯業系（ようぎょうけい）サイディングは、セメント質と繊維質を混ぜて生産される板材です。
近年の新築建築では、ほぼこの窯業サイディングが使用されています。
様々な質感が再現しやすいことから、レンガ調、石積調やタイル風など、デザイン性が豊富です。
セメント質を素材に含んでいるので防火性に優れ、地震にも強いメリットがある反面、熱を吸収しやすいというデメリットがあります。

ただし、これは塗装やコーティングで緩和が望めるデメリットでもあります。

窯業系サイディングの寿命は20～40年と長く、耐久性がありますが、外装の塗装・コーティングはより短いスパンで劣化・剥がれてしまいます。
メンテナンスとして、10年ほどのサイクルで塗装・コーティング補修を行うのが望ましいです。

・金属系サイディングの特徴、メリットとデメリット

金属系サイディングは、窯業系の次にシェアの高い壁材です。
名前の通り、スチールやアルミニウムなど金属を原料として、断熱材としての裏打ち材と組み合わせて使用されます。
窯業系よりも耐水性が高く、断熱性・防音性に優れる軽量な壁材で、リフォームとして、モルタル壁の上から重ねて使用することもできます。
しかし、性能が優れている分、窯業系よりも価格がやや高めになります。

金属系サイディングの寿命もまた、窯業系サイディングと同じく20～40年で、こちらも10～15年に一度ペースのメンテナンス、塗装やコーティング補修が望ましいです。
塗装が劣化しにくいのも金属系サイディングの特徴ですが、台風の影響等で表面に傷が入った場合、そこからサビ・腐食が進行してしまう可能性があります。

可能であれば2～3ヶ月スパンで表面の水洗いを行い、傷・サビのチェックを行いましょう。
この時、水圧が高すぎると傷・へこみの原因となってしまうことがあるので、注意が必要です。

・樹脂系サイディングの特徴、メリットとデメリット

樹脂系サイディングとは、特に耐久性を重視した樹脂製の壁材です。
元々は北米で考案された壁材で、カナダで60％、アメリカでは40％のシェアを誇り、日本では北海道をはじめとする寒冷地で取り入れられ始めています。
他素材と比較して、塩害・冷害といった対候性に大きく優れており、コーティング材も不要で施工できるのも特徴的です。

軽量なのでリフォーム向きのサイディング材であるものの、日本ではまだそこまで一般的ではない施工なので、寒冷地以外では施工してくれる業者を見つけるのが難しいかもしれません。

耐久性を重視していることもあり、樹脂系サイディングの寿命は20～50年、メンテナンスも最長で30年ほどは不要とされています。
コーティングの補修工事は必要ありません。

塗料を塗る訳ではなく、素材そのものにカラーが練り込まれているので、紫外線以外の理由で大きな退色もほぼ起きません。
ただし、陽射しが強い地域では、紫外線によるダメージを抑えるために、保護塗装が必要になることもあります。
上記2種のサイディング材と異なり、高圧洗浄での手入れも行えます。

・木質系サイディングの特徴、メリットとデメリット

木質系サイディングは、「木の質感にこだわりたい」人向けに、天然木材に塗装を施したサイディング壁材です。
自然の手触りならではのデザイン性、こだわりの度合いは高いものの、「木」という特性上、防火性や防水性は低く、取り扱う業者も少ないなどの難点があります。
また、他のサイディング材に比べて劣化も早めで、こまめなメンテナンスや塗装・コーティング補修の必要性があります。

このように、同じ「サイディング材」であっても、素材によって様々な特徴やメリット・デメリットがあります。
徳島市でサイディングをご検討の際は、花房塗装にぜひご相談ください。