サイディングの直貼り工法とは何か?注意点や症状について解説
直貼り工法と通気工法
「サイディング」という言葉を聞いたことのある人も多いかもしれません。
サイディングとは外壁材の一種で、セメントや金属製のものが中心です。
サイディングを外壁に設置する際に、大きく分けて直貼り工法と通気工法の2種類に分類できます。
直貼り工法とは、サイディングボードを直接外壁の防水シートの上に貼り付ける手法です。
少し前までは一般的な工法で、多くの住宅で採用されています。
工数が少ないので納期の短縮化が図れます。
しかし一方で通気が一切ありません。
このため、もし水気や湿気などが内部に入ってしまうと逃げ道がなくなります。
湿気が溜まりやすくなって、内部結露を起こしやすいです。
一方通気工法とは防水シートとサイディングボードとの間に木材を挟んで空気の通る空間を確保するのが特徴です。
ちなみにこの木材のことを「通期胴縁」と呼びます。
万が一内部に水分や湿気が入ったとしても、逃げ道を確保できます。
ですから柱などの構造体の劣化を食い止められます。
またサイディングボードと防水シートとの間に空気の層ができます。
この層が盾になって、断熱効果を高められるというメリットもあります。
このため2000年代以降多くのメーカーや工務店がこちらの工法を取り入れています。
現在では通気工法の方が標準後方になりつつあります。
自宅は直貼り工法?通気工法?
自宅が直貼り工法なのか、通気工法なのか、実はみなさん自身でも見分けることができます。
サイディングの工法は内部の構造になりますが、外側から外壁を確認することでも見分けられます。
ポイントは水切り板金です。
サイディングの一番下を確認してみてください。
金属の部材があるでしょう。
これは水切り板金と呼ばれる部分です。
このサイディングと水切り板金の間にわずかに隙間があります。
ここにカードなどを差し込んでみましょう。
そしてどの程度入るかを確認してください。
もし2cm以上差し込めるようであれば、通気工法であると推測できます。
一方2cmはいらない場合には、直貼りの可能性があります。
だいたいサイディングボードの厚みは1.2~1.6cmと言われているからです。
直貼り工法の劣化症状とは?
直貼り工法で外壁が作られている場合、経年劣化を起こしさまざまな症状がみられるようになります。
直貼り工法の場合、水や湿気の逃げ道がありません。
そこで内部に水分が入ると逃げ道がないので、塗膜のある表面から無理やり出てこようとします。
このため、外壁の表面が膨れたり、剥がれたりしやすくなります。
サイディングの外壁の表面が凸凹している、剥がれが見られる場合には業者に相談してみるといいでしょう。
直貼りかどうか点検してもらったほうがいいです。
ただし直貼り工法をしているからと言って、このような症状が100%起こるとは限りません。
築10年以上経過しているけれども目立つような症状がないところもあれば、特定の箇所だけ剥がれが顕著に起きている建物もあります。
また塗装を一度もしていない自宅で剥がれが起きることもあり得ますし、塗装して初めて症状が顕著に生じることもあり得ます。
サイディングの直貼り工法で問題が見つかったら?
直貼り工法で何らかの症状が出ている場合、張替え工事をすることが多いです。
張替工事ですが1平方メートル当たりの単価では4,000~9,000円程度が相場です。
もし2階建ての住宅を全面張り替えた場合、足場などほかの費用も含めると200万円以上のかなりの高額になります。
時期やタイミングを見計らって、業者に相談してみるといいです。
また膨れた剥がれのような症状がほぼ見られないけれども外壁塗装をお願いするのであれば、透湿性塗料を使った作業がおすすめです。
透湿性塗料とは水気や湿気が通り抜けやすいのが特徴の塗料です。
雨水や湿気を含んだとしても逃げ道がありますので、剥がれや膨れが起こりにくいです。
もし透湿性塗料を使った外壁塗装をお願いする場合、1平方メートル当たりの単価は1,800~5,000円といったところが相場です。
もし標準的な2階建ての全面塗装をお願いするのであれば、だいたい70~150万円が目安になると考えてください。
透湿性塗料でメンテナンスをする場合、保証の対象外になる点はあらかじめ理解しておきましょう。
塗装会社では「塗膜保証」を設けている場合が多いです。
しかしこの塗膜保証が適用されるのは、塗装工事の不備や施工不良を起因とした塗膜の劣化です。
直貼り工法で膨れや剥がれが起きたのであれば、塗装工事に問題があったからではなく直貼り工法という構造そのものの問題に起因します。
ですから保証の対象外になるのです。
徳島市で地域密着にて外壁塗装の工事を請け負っている花房塗装では、サイディングの外壁塗装なども請け負っております。
直貼り工法で表面が凸凹していたり剥がれていたりしたのであれば、お気軽にお問い合わせください。
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