自然塗料は環境に優しい?メリットとデメリットについて紹介
自然塗料とは何か?
塗料にはいくつか種類があって、近年注目されているものに自然塗料があります。
自然塗料とは、天然由来の素材を主原料にしている塗料のことを指します。
海外からの輸入がメインですが、国内の一部メーカーでも製品提供しています。
特にドイツ製の自然塗料は日本でもよく使われています。
というのもドイツはこの世界では先進国だからです。
ドイツは環境に対する意識がもともと高かったです。
そんな背景もあって、30社ほどの自然塗料のメーカーがあります。
日本ではまだ自然塗料の定義も明確ではありません。
一方ドイツを見ると、水性溶剤を使っているVOCが少ないだけでなく、一連のライフサイクルで環境に負荷を与えているかどうか考査するLCAと呼ばれる独自の評価手法を用いています。
自然塗料の主要な3種類
自然塗料は天然由来の原材料をメインに製造された塗料を指します。
ですから、「自然塗料」といっても使われている原料は商品によって異なります。
自然塗料は樹脂に何を使っているかで3種類に分類できます。
樹脂は塗膜を形成し、木材を保護する働きがあります。
どのような種類の樹脂を使っているかで、木材保護のアプローチも変わってきます。
まずはオイル系です。
アマニ油やヒマワリ油など種子から抽出される油脂を主成分にした塗料になります。
塗装すると木材に樹脂が浸透して、木材の質感を残しつつも保護してくれます。
2つ目はワニス系です。
樹木や昆虫などの天然樹脂を主成分にした塗料が該当します。
セラックやダンマルなどが原料に使われている自然塗料はワニス系に分類できます。
木材を保護するだけでなく、木材のもともと持っている調湿機能は残してくれます。
最後はワックス系です。
ロウ類が主原料の塗料になります。
こちらは単体で使用するケースはまれです。
こまめにメンテナンスする必要があるからです。
通常は上で紹介した2種類の自然塗料の塗膜を補助するために使用されます。
自然塗料のメリット・デメリット
自然塗料の魅力は、仕上がりにあります。
木目を生かしながらも塗膜によって保護していきます。
日本の一軒家などは特に木造住宅が主流です。
木のぬくもりを感じられるような、リラックスできる住宅に住みたいという人にはうってつけの塗料といえます。
また経年変化を楽しめるのも自然塗料を用いるメリットといえます。
時間が経過すると自分の手に馴染んでいきますし、その家独特の風合い・色合いに変化していきます。
革製品が時間の経過とともに変色していくのと同じような感じで、マイホームに対する愛着もますますわいてくるでしょう。
自然塗料の場合、特に油性塗料と比較して環境に与える負荷が少ないのもメリットの一つといえます。
エコに対して高い意識を持っている人の間で人気です。
また主原料が天然由来の成分であるのも強みといえます。
中にはシックハウス症候群のように、化学成分の塗料だとアレルギー反応を起こす人もいるかもしれません。
しかしナチュラルな成分であれば、アレルギーリスクを抑制できるのもメリットと言えるでしょう。
ただし一方でデメリットもあります。
まずはほかの塗料と比較して、若干値段が高い点です。
外壁塗装を自然塗料でお願いしたところ、想定以上にお金がかかってしまうということもあり得ます。
予算と十分相談したうえでどうするか検討した方がいいです。
また一般的な合成塗料と比較して、乾燥するまでに若干の時間がかかります。
ですから施工にある程度の時間がかかる可能性があります。
梅雨時など湿気の多い時期などに外壁塗装をすると、納期が先延ばしになってしまうかもしれません。
また化学塗料と比較すると、耐久性がわずかに劣るのもデメリットになりえます。
ですからこまめに外壁塗装をして、塗り直し作業が必要になるかもしれません。
最後に勘違いしがちなのが、自然塗料=100%安全とは限らない点です。
日本では主原料が天然由来のものを使っているのが自然塗料と呼ばれます。
ですから、もしかするとホルムアルデヒドなどの有害物質の発生する可能性もゼロではありません。
自然塗料はアレルギーを抑制できるとメリットの部分で紹介しましたが、人によっては天然の原料でもアレルギー反応を誘発する可能性もあります。
その部分は十分に認識しておきましょう。
一般的な傾向として、合成塗料と比較して自然塗料の方が優れていると思われがちです。
しかし自然塗料にも弱点はあります。
対候性に劣り、頻繁に塗り直しをしなければなりません。
また費用も合成塗料と比較してかかってしまう恐れもあります。
メリットとデメリットをきちんと理解したうえでどうするかを検討しましょう。
徳島市にある花房塗料では、自然塗料と合成塗料の特徴やメリット・デメリットを十分説明したうえで、お客様に選んでいただきます。
自然塗料について興味があるけれども、わからないことや不安なことがあればお気軽に花房塗料までお問い合わせください。
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